"Self Portrait" Fabiano Rodrigues Interview

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独創的な着眼点と美しさの共生


広大な白黒のランドスケープを背景に、颯爽とトリックを決めるスケーターが一人。

ブラジル出身のスケーター兼フォトグラファーFaibiano Rodriguesが写真の中で織り成す世界観は、独創的な着眼点と共に美しさが共生している。

他者とは違うアーティスティックなアプローチで、スケートシーンだけでなく

コンテンポラリーアート界からも評価を得た注目のフォトグラファーにインタビューを敢行。

世界中で話題を呼んだセルフポートレートシリーズが生まれたきっかけや自身の写真に対するこだわりに迫った。




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ー読者に自己紹介をお願いできますか?

1974年の11月生まれ、サンパウロ海岸のサントスで育ったスケーターで、アーティスト兼フォトグラファーとして活動しているよ。今はサンパウロに住んでいる。


ーそもそもスケートをはじめたきかっけは?

12歳の時に母親がスケートボードをくれたんだ。サーフィンやBMXもやったりしたんだけど、スケートボードはなぜか辞めたくなくて、今に至るって感じかな。


ーでは写真をはじめたきっかけは? 何があなたを駆り立てたのですか?

スケート以外にもなにか違う事がしたかったし、スケートにとってもクールな事がしたかったのがきっかけだね。スケートの写真はずっと好きだったし、他とは違う方法や一味違う別の見せ方を表現してみたかったんだ。それでカメラとか機材を買って、今とは違うやり方だけどいろいろ実験的に撮影を始めたんだ。


ー影響を受けたスケーターやフォトグラファーはいますか?

スケーターだとEd Templeton、Jamie Thomas、Ethan Fowlerとかに結構影響されているかな。彼らのアグレッシブなスタイルが好きだね。でも写真だと特に影響を受けたフォトグラファーとかはいないよ。実際、写真に関してはいろいろな影響から自分自身を遠ざけているんだ。自分らしくて独創性のある撮影スタイルを手に入れたかったし、逆に他からの刺激は悪影響になると思うしね。


ーあなたの素晴らしい作品に圧倒される中で思ったのですが、どのようにしてセルフポートレートのコンセプトを思いついたのですが?

本当? ありがとう! 世界中の人からそういう風に自分の作品を讃えてもらって本当にうれしいよ。それこそ世界中のクールな雑誌に自分の作品が掲載されるなんて、俺自身夢にも思わなかったよ。今でも本当にクレイジーだと思ってる(笑)。このシリーズをはじめるきっかけは個人的でピュアなものだった。自分が愛するスケートとカメラっていう二つの要素を組み合わせたいっていう思いから生まれたものなんだ。普通とは違うスケートフォトグラフィに対する見解が自分の中にあるのは知っていたし、プロスケーターとして活動していた経験を投影したかった。なにより自分自身の目でスケートボードのイメージを記録しておきたかったんだ。このシリーズを世界中のスケートボードシーンやギャラリーを運営している人とかコンテンポラリーアートのキュレーターとかが注目してくれたおかげで、自分の作品を大御所のコレクターたちが買ってくれたり、ブラジル全土の博物館で写真を掲載してくれるまでになった。スケートの世界だけではなく、コンテンポラリーアートの世界からも評価されたのはすごく光栄だね。


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ー撮影ではどの様な機材を使っているんですか? デジタルかアナログで好みはありますか?

両方使ってるよ、アナログも大好きだしね。でもセルフポートレートのプロジェクトはアナログでうまく撮るのは難しいし、フィルムのコストも馬鹿にならないからデジタルで撮ってる。普段は相当高いクオリティーの写真を撮れるHasselblad H4Dを使ってるよ。


ーもしアナログだけで撮影するとしたら、何かアナログにこだわる理由はありますか? デジタルの方が簡単にできると思うのですが...

今のカメラだと簡単に撮影できるようになったと感じるけど、やっぱり撮っている人が一番重要だと思う。アナログでもデジタルにしても自分自身の目を使う事には変わりないからね。数えきれないほどのカメラがあるけど、物事を正しく見据える視点はみんなが持っているわけじゃないし。


ーモノクロをメインに撮影をしているように思いますが、モノクロにこだわる理由とは?

モノクロは大好きだね。最初に使ったフィルムがモノクロだったんだ。あとカラーの写真でもクロス現像しかしないしね。いつもモノクロでのイメージを想定しながら写真を撮っているし、モノクロが写真にもたらす純度が好きなんだ。


ーブラジルのスケートシーンについて教えてもらえますか? 何かブラジルならではの事とは?

ブラジルのスケートシーンはいい感じだと思うよ。自国市場がちゃんとあるし、成長もしている。輸入品はすごく高いけどね。ただ、ブラジルのスケーターたちのほとんどが"アメリカンドリーム"を追いかけていて、自分自身のオリジナルなスタイルを作ろうとしてないんだ。まあ、最近だと違う考え方をもった新しい世代が台頭してきて、シーンも良い方向に変わってきているけどね。


ー今後の予定は? 何か計画中のプロジェクトはありますか?

6月にある個展に向けて作業を始めた所だね。その先もいろいろなプロジェクトがあるし、今年はクレイジーな年になりそうだよ。



HIDDEN CHAMPION Issue#32 End of March, 2014
Interview: So
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