August, 13 2015

FUJIROCK'15 in HIDDEN CHAMPION CREW

- FUJIROCK'15 in HIDDEN CHAMPION CREW -

日本最大級の野外ロックフェス"FUJI ROCK FESTIVAL'15"が、7月24日、25、26日に新潟・苗場スキー場で開催された。HIDDEN CHAMPIONクルーも23日に開催される前夜祭に向けて総出で苗場へと舵をとった。会場の駐車場に着いてすぐ「嗚呼、今年も来ちゃったぜ、フジロック」そんななんとも言えない高揚感に包まれながら缶ビールをプシュっ！まずは苗場での最初の乾杯を皆で味わった。ホテルのチェックインや身支度を整え、いざ前夜祭へ。前夜祭はチケット不要なので地元民を含め大勢の人々が毎年恒例の盆踊り大会に参加していた。その後フジロックのスタートを合図する花火が苗場の空へ何発も打ち上げられた。花火が終わると同時にフジロック1とも言っても過言ではない轟音がレッドマーキーから放たれ各々がフジロックを過ごし始めた。

ここからは何が何日目に起きたのかという記憶はほぼ曖昧だが印象に残った"フジロックエピソード"を紹介したい。今年のフジロックはいつもとは様子が違っていて、客層も違けりゃ気候も違った。オレンジコートの撤廃に始まり、邦楽アクトの増加による若年層の来場者が増加しているようだった。今まで20代後半〜30代が多かったのが10代後半〜20代前半の人々がいくらか多かった印象。良くも悪くもフジロックに新たな客層が雪崩れ込んできたのだ。

オレンジコートの跡地にはサッカーゴールが設置され、ボールを蹴ってサッカーを楽しむ人々の姿も。その横ではボードウォークの廃材を積み上げ、キャンプファイヤーの準備が進められていたので、自然と自分も参加していた。湿気っていた木材に火を灯すことは容易ではない為スタッフを含め多くのフジロッカー達がダラダラと汗を流しながら試行錯誤を重ねていた。皆で廃材を運び、ライターでダンボールに火を付け、これまたダンボールで仰ぎまくり風を送る。内部から少しずつ火を広げていく作業が1時間程続けられた。すると一気に火が昇り周りの人々からオーッ!!と歓声が登る。その日のベストアクトは間違いなくキャンプファイヤーだった。一般的なフェスはライブを観ることが1番重要視されているがフジロックはそうではない一面がある。正にこれなのだ、誰に指示されたでもなく、火を起すために来場者が自然と集まり会場を共に作り上げるということ。

このポッカリ開いたオレンジコートの穴にフジロックの底力的マグマが沸き上がっているようにも思えた。HIDDEN CHAMPIONの本誌にも書いたが、ステージの前だけが居場所ではなく、どこにいても心底楽しめるということ。ライブで暴れ疲れたら木陰に寝転んで休息を取るもよし、フジの風物詩でもある川遊びでもある川遊びでほてった身体をクールダウンさせるもよし、冷たいビールを片手に美味すぎるフェス飯の食べ歩きもすごく良い。キャンプエリアでのんびりしていたっていいし、ドラゴンドラで山の上からフジロックを感じてもいい。遠くから聞くライブも中々悪くない。場外エリアにだってステージやアトラクションがある。国内外のアーティスト達が趣向を重ねた装飾で場内はユニークで人を笑顔にさせてくれるものや艶かしい装飾で大人の遊び場を演出したり。世界一クリーンなフェスティバルだと世界から高い評価を得ているだけに、会場はゴミが散乱しているということは無く本当に綺麗だ。子供連れの家族が多いのもこういった点から安心感があるのだろう。また、キャンプエリアには女性専用のエリアも確保されているので女の子だけでのアウトドアも安心して楽しめる。

大小合わせて約13ステージでライブが同時進行しているので全アーティストを観るのは不可能。観たいアーティスト達の時間帯が被っていたり、ステージ間の距離が遠ければ諦めるしかない。しかし、ここからがフジの底力でもある。フラ〜っと歩いていると「ん？このバンドすげー格好良いじゃん！」と、見たことも聞いたこともないアーティストがめちゃくちゃ格好良いライブを繰り広げていて、それがきっかけでドハマリするパターンが多々ある。お目当のアーティストだけ観てるんじゃ勿体ないと声を大にして言いたい。フジロックとは自分が知らない未知の音楽を自分を繋げてくれる場所でもある。「年に1度、3日でもいいから、仕事も忘れ、時間も忘れて、生きているということがどういうことなのかを感じる時間があってもいいじゃないか」とフジロックについて語った故ジョー・ストラマーの名言に習い、今年も思う存分楽しませて頂きました！また来年もフジロックに行けるように精進致します！

Text: Yuta Sasaki
Photo: HIDDEN CHAMPION (Yuta Sasaki,Hidenori Matsuoka, Takashi Akiyama)