Posted by Takanori Nishi

KIDS

昨今の90年代ファッションの回帰や、オルタナバンドの再結成などのブームを見ていて思い出したのが日本では1996年公開のアメリカ映画「KIDS」。

「マイ・プライベート・アイダホ」のガス・ヴァン・サントがプロデュースし、当時19歳だったハーモニー・コリンが書いた脚本を写真家のラリー・クラークが監督した作品。

NYの生々しい若者の文化を捉え、エイズを題材にし、サウンドトラックはオルタナティブロックやヒップホップを織り交ぜ、当時ティーンネイジャーだった僕がそうだったように、洋楽やストリートカルチャーに興味を持った若者達はこの作品にショックを受け、魅了され、影響を受けまくったに違いない。

改めてクレジットロールを見返すと、Special Thanksの項目にX-LARGEにX-girl、また当時はブランドとしては若かったSUPREMEやZOO YORKなど、今や誰もが知るスケートブランドがこぞって名前を連ねてお祭り状態。

そしてやはり注目は現在も若者に影響力を与えているファッションアイコン、クロエ・セヴィニーの映画デビュー作品であること。この作品以前からソニックユースのビデオに出演したり、セレクトショップ「リキッドスカイ」で店員をやっていたりと、とにかくクールな環境に身を置いていた彼女はこの作品をきっかけにどんどん注目されていく。またクロエの友達役で出演していたロザリオ・ドーソンも今や人気女優。主人公の一人で俳優、スケーターのジャスティン・ピアースとプロスケーターのハロルド・ハンターは残念ながら、亡くなっている。

 
またこの作品はサウンドトラックが絶妙で最高なんだけど、その空気感を作りだしたのがオルタナ重鎮、ダイナソーJrのルー・バーロウ。セバドーやフォークインプロージョンなど彼が関わっているバンドの他にも、ダニエル・ジョンストンに、スリントにもうとにかく素晴らしい。なんでもクロエ・セヴィニーが監督であるラリー・クラークにルー・バーロウ周辺を紹介したんだそう。
 
 
とにかくこの映画はティーンネイジャーのアイデンティを良くも悪くも揺さぶったわけで、当時味わった感覚が今の自分自身にどう影響してるかはわからないけど、とても刺激的な映画だったのです。

そんな作品を見返して、またスケートボーディングへの欲求がふつふつと蘇っています。

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