HOME > NEWS > S.O.S. -SUNS OF SILENCE-

S.O.S. -SUNS OF SILENCE-

head.jpg

世界中のストリートアーティストによるチャリティアートショーが開催されます。

2011年3月11日の震災から一年以上が経過したが、未だに復興への道のりは遠い。いや、被災地のニーズは大きく変わってきているのかもしれない。「何か出来る事はないか」。2011年の暮れ、一人の男が思いついたアイデアに世界中のアーティストがすぐさま反応した。それは不透明で目に見えない行政の動きとは別に、ダイレクトに、そして自らが居るストリートシーンの人間として出来ることをしたいということ。立案者はこのシーンでは知らない人はいない、ANDSUNSのディレクターであるMIAMISHINEこと小野新之輔。音楽/クラブシーンで活動しているストリート上がりの人達で構成されている被災地支援団体"BOND & JUSTICE"の存在を知り、この団体に活動費を寄付するために独自のネットワークを用い世界中のアーティストにコンタクトを取った。そしてアーティストに手渡したモノは死者の象徴であるスカル。結果的に多くのメディアやブランドまで巻き込むことになったこのプロジェクト。その発端や経緯はどういうものなのか。主宰であるMIAMISHINEに話を訊いた。


――今回のプロジェクトの発端を教えてください。
MIAMISHINE(以下、M) 最初にツイッターでBOND&JUSTICEの存在を知ったんだけど、ストリート上がりの連中が炊き出しとか被災地支援をやってる事に興味を持ったんだ。俺も95年の阪神淡路大震災の時に、オヤジの会社の保存食品を10tトラックに積んで2、3週間運んでた経験があったから、余計にその存在が少し気になってたんだよね。3.11の震災で、もちろん寄付とかはしたけど、自分が先頭に立って動こうとは正直思わなかった。20代、30代が頑張って欲しいなと思ったんだよね。だからそれをやってる彼らを手助けしたいと思ったんだ。

――それでアート展を思いついたんですか?
M いや、あんまり良い話でまとめると気持ち悪いから本当の事言うけど、最初は寄付の事なんか考えてなかったんだよ(笑)。ただ単純に自分でやってるANDSUNSでたまにはアート展でもやりたいなと思っただけ。ただ、同時期にBOND&JUSTICEの事も知ったから、寄付しようかみたいな話を周りにしたら段々話しが盛り上がって大きくなってきて、これはちょっとマジメにやらないとマズイぞってなったのが本当のスタート。非常に不謹慎(笑)。だけどきっかけはどうあれ実際に実現させようと思ったから、ANDSUNSとは切り離して自分個人で動くことにしたんだよ。

――でも周りが賛同したって事はみんなもこういう形での支援をやりたかったのでは?
M 震災直後に復興Tシャツとかを作って福島県とかに寄付はしたけれど実態は良く見えない。それと、これは求めるべきでは無いのかもしれないけど、個人的にも"何か良い事をやった"っていう満足感も無かった。だったら知ってるアーティストに作品を作ってもらって、それを好きな人が買って、その売上げを感覚の近そうな連中に渡す。実際の金の動きが分かりやすいから満足感があるかなと思ったんだよね。だからそこに賛同してくれたのかもしれない。

――世界中から錚々たるアーティストが参加していますが、どのように集めたんですか?
M 仲間に声かけたらどんどん集まってくれて、NYから14人、西海岸からは2人、そして日本勢は、東日本は俺が声を掛けて、西日本は大阪のZEN ONEに声をかけて集めてもらった。全部で40人くらいかな。

――スカルを使用する事で敏感に反応したり、ビックリする人もいるんじゃないかと思いますが。
M そうだと思う。だけどスカルって死の象徴じゃないですか? 人間死んで行き着くところはそこ。今回の震災で沢山の方が亡くなった訳だけど、今はそこから次のステップへ行こうとしている。だからアーティスト達にも死(スカル)の上に希望を描いて欲しいと頼んだ。まぁ何人かは意図が伝わってない奴もいたみたいだけど(笑)。でもそれぞれの想いが出てると思う。ウワサを聞きつけたらしく写真家のヨネちゃん(米原康正)が電話してきて、アート展の場所も良いとこ知ってるし、女の子にも参加してもらって撮影しようよって。おっさんグイグイ来たなと思ったね(笑)。10年以上知ってるけどあの人がこんなに早く動いたの始めてだよ。

――どういう結果になれば良いと思いますか?
M 実際これの目標は、いくらかのお金を作ってそれをBOND&JUSTICEに手渡すところを写真に撮って、ブログやツイッターで「やりました!」って載せたら俺の役目は終わりかなと思ってる。そっからはBOND&JUSTICEの仕事だから好きに使ってもらえればいい。最初はただの個人的な動機だったけど、やっぱり動機は個人的なモノや不純なほど力が出るし長続きするんだよ(笑)。ストリートの連中って綺麗事じゃないから。



『S.O.S. -SUNS OF SILENCE-』
2012年4月13日(金)13:00 - 22:00
Crème De La Crème
渋谷区神宮前2-22-2 FICTIONビル2F

*RECEPTION PARTY 19:00 - 22:00
DJ CELORY A.K.A. MR.BEATS / DJ SAFARI / DJ KASHI DA HANDSOME
LIVE PHOTO SESSION BY YASUHARA YONEMASA

日本、アメリカのアーティスト、グラフィティライター、フォトグラファーなど、総勢40名が被災地の復興支援を目的に手掛けた作品を集めたアートショーを開催。希望と願い、復興へのオマージュとしてSECRET BASE社の髑髏へそれぞれが想いを乗せた1点もののアートを展示販売する。その収益の一部を被災地支援団体「BOND&JUSTICE」に寄付される。


BOND&JUSTICE
このBOND&JUSTICEという団体の事を紹介する前に、代表の大土 雅宏(おおど まさひろ)の事を紹介したい。1980年、福島県南相馬市生まれ。10代の頃よりストリートカルチャーに関心をよせ、21歳より宮城県仙台市に拠点を移しローライダーチームを結成。仲間達と共に全国各地のイベントに参加して行く中でイベントオーガナイザーとして頭角を表し、全国のアーティストを東北エリアにブッキングするプロモーションマネージャーとして活躍。2011年4月にプロモーション会社設立予定中の3月11日、被災。
そう、まさにこの男も被災者自身なのだが、震災当日より、支援を受ける側ではなく支援する側としてすぐさま「BOND&JUSTICE」を結成したのだ。それまでに培った全国各地のヒップホップ/レゲエなどの音楽仲間を中心にその活動は広がり、震災から1週間後の3月17日には全国28カ所に物資中継地点を確保。「行政に頼るだけでなく、自分達の手で出来ることは山ほどある」という意識のもと、震災から1ヶ月で150トンもの物資を被災地に運搬したという。そして物資がある程度行き渡った4月上旬頃からは物資の運搬だけでなく活動内容を炊き出しにシフトし、「人として絆と正義を」という考えで支援を続けている。2012年2月時点での救援物資は累計250トン。炊き出し累計26260食。現在は正式にNPO団体として登録し、「被災して亡くなった地元の親友の子供達が無事に成長するまで」活動を続けて行くつもりなのだという。

「誰か」じゃなくて一人一人が意識を高めなければ実現は不可能です。 今、これが現実です。ここ日本で起こっていることなのです。ここから自分等が学び、世界に啓蒙していくことが我々の大きな役割であり、二度と同じ惨劇を繰り返さないためにも今我々のやるべきことがたくさんあります。 もう戻れる日常はありません。新たな時代を迎える為には今この日本から世界に伝えていかなければならないのです。一人一人の人々を繋ぐ絆と正義の気持ちが社会を救う鍵となることを信じています。 皆さんのお力をどうか私達にお貸しください。
東北関東大震災支援隊本部"BOND&JUSTICE" 代表 大土 雅宏


<more info>
S.O.S.

Category :

Tags :

BACK

NEXT