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Red Bull BC One Asia Pacific Finals Report

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 世界中から選ばれし16 人の B-BOYが1 対1 で、ブレイクダンス世界一の称号をかけて戦う『Red Bull BC One』。11月30日にソウルで開催されるWorld Final の出場権を賭け、アジア・オセアニア11 カ国の強豪B-BOY たち16 人がトーナメント形式で壮絶なバトルを福岡で繰り広げた。福岡は博多にある櫛田神社にて行われた大会の様子を、日本のブレイクダンス事情を絡めてレポート。 

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 日本初開催となったRed Bull BC Oneのアジア予選『Red Bull BC One Asia Pacific Finals』は、博多にある櫛田神社にて行われた。まず、ここ日本にHIPHOPが上陸してから30年が経過した事に触れておきたい。そんなHIPHOPの4大要素でもあるブレイクダンスは日本人に好意的に受けいれられ、しっかりとしたシーンが確立されている。ブレイクダンスにおいて最大のライバルとも言える韓国と共に、日本もワールドワイドに活躍しているのが現在の状況だ。間違いなく日本に定着したと言っても過言ではないブレイクダンスだが、未だに"海外の文化"というイメージも付きまとうのも事実だろう。そういった中で、ブレイクダンスを神社で開催してしまうRed Bullの斬新な発想の裏には、ブレイクダンスというカルチャーに対するリスペクトがうかがえる。

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 今回はアジア地域でのチャンピオンシップということもあり、世界中のメディアが集まり白熱したバトルの結果を見守った。世界的な大会でも活躍する天才TAISUKE、若干16歳ながら力強いパワームーブで魅せるISSEI、公務員という安定を捨てブレイクダンスに人生を掛けるNORIという3人の日本人参加者が集結。それぞれが世界に通用するレベルにいる中、アジア各国の強豪たちと超絶バトルを繰り広げた。細かいディテールで魅せる東南アジア勢、豪快なパワームーブで一気に観衆を盛り上げる韓国の面々。参加者の多様な国籍のように、それぞれがオリジナリティ溢れる超絶テクを惜しみなく披露し凌ぎを削った。

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 決勝では、ビートを聴いてフリースタイルにダンスを組み上げるNORIと全てのバトルにおいて全身全霊で臨んだVEROの日本対韓国というなんともお国心をくすぐる一戦となった。まるで本当の喧嘩ように攻撃的に相手にムーブを見せつける両者。決勝はそれぞれ3回ムーブを見せるということだったが、いつまでも熱い戦いが続けばと思ってしまうほどのスキルを見せつけてくれた。

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 そんな熱い攻防戦は、揺るぎない勝利への気持ちを持ち続けたNORIの勝利で幕を閉じたが、勝負の世界の冷酷さやドラマバトルの醍醐味さえも感じられるものとなった。バトル中は挑発しつつも、バトルが終われば良きライバルに戻るという点もブレイクダンスというカルチャーが持つ大きな魅力の一つなのではないだろうか。

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 今大会の開催地が福岡だと言うこともあり、オーディエンスは日本人がほとんどであったが進行は全て英語。しかし、国境や言語を超えてダンサーたちの熱いムーブメントが人々の心に響いたイベントとなったことは間違いないだろう。ベテランの解説者でも解説不能のムーブが多くみられた今大会では、ブレイクダンスの無限の可能性を存分に感じさせる興味深いものとなった。11月30日にソウルで開催されるWorld Final では、ワイルドカードとしてTAISUKEの出場が決定。世界一のB-BOYが決まる場所で日本人対決は見られるのか気になる所だ。


TEXT: SO
PHOTO: Nika Kramer / ©Red Bull Content Pool

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Title Red Bull BC One Asia Pacific Finals Report

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