[アーティスト・ステートメント]
今回、私たちが「花」を作品のモチーフに選んだきっかけは、未だその影響を色濃く残す福島第一原発事故にあります。この人災は自然環境にとても深刻なダメージを与えました。私たち２人は神奈川県に住んでいるので、直接大きな被害を受けるという事はありませんでしたが、放射能による海洋汚染や土壌汚染などのニュースを日々耳にし、今まで何も気にせず口に入れていた食べ物や、当たり前に触れていた水や土が、必ずしも安全では無いものとなってしまい、私たちも自然に生息する植物と変わりなく、自然環境から糧を得ている存在なのだという事を強く実感させられました。
それ以来、栽培や鑑賞目的としてはもちろん、絵の題材としても植物にとても興味が湧き、その「植物」の生態のなかでも「花を咲かせる」という事に何か「未来への可能性」のようなものを感じ、これが私たち２人の制作テーマとも合っていたので「花」をモチーフにしようと思ったのです。
花は、生物学的に言うと"種子植物の生殖器官"の事だそうです。植物は成長し準備が整うと、実を作るために花＝生殖器を機能させます。虫などを媒介し受粉が成功すると、花は実となり実は種を持ちます。この種が土に落ち新しい世代が始まるのです。このように、植物にとって「花を咲かせる」ということは、子孫を未来へ残すためのただのプロセスの1つに過ぎません。ですが、花は植物の大切な目的（子孫を作る）のための第一段階で、この「花が咲く」というプロセス無くして実は作れないと考えると、花とは「未来を作る準備が出来た者」だけが持てる証の様な物だと言えますし、その証は良い意味での「未来への可能性」なのかもしれないと思いました。
私たち人間も（生き物としては）もちろん子孫繁栄を目指すのですが、私たちの場合、子供を育て教育する者や、より良い生活環境を作るために働く者、自身の願望のために未来を作っている者もいれば、目の前の欲求を満たすだけの者など、個々に主観的な意味で「良い」と思う選択をしています。植物のように「子孫繁栄」だけが「未来」というわけではなく、人は良くも悪くも「良い未来」を想像する事が出来るからこそ、皆それぞれが何かしらの役割を持ち、無意識的に社会全体でバランスを取りながら未来へ繋いでいるのだと思います。
私たちがつくりだす未来は、今よりも良くなるか、更に厳しくなるかは分かりません。けれど、私たちがほんの少しでも未来を想像したとき、それは植物で言う「花が咲く」ときであり、その花が実を結び種を土に落とすのは大変な事ですが、そこに様々な可能性がある事だけは確かなのです。
[作家プロフィール]
feebee
アーティスト http://feebee.jp
2002年よりイラストレーターとしての活動を開始。アパレル、広告、書籍、CDジャケット、クレジットカードなどのイラストレーションを手がけ国内外を問わず活動。20011年に紀伊國屋画廊で個展を開催し、以降は海外アートフェアに参加するなど画家としての活動にも力を入れている。著作物に画集「The art of feebee1」「The art of feebee2」の2冊がある。
SIGE
画家 http://sgk7.net
1998年より、フリーのイラストレーターとして広告やプロダクトのイラストレーション制作を中心に活動する。2011年に渋谷で行われた個展「UNEASINESS」をきっかけに、それまでのクライアントワークを主体としたイラストレーション制作とは別に、よりコンセプトを重視した作品制作を行う為、画家・美術家としても活動を開始し、以後は個展やグループ展での作品発表に注力している。
feebee・SIGE二人展「これは花ではない。」
会期：2014年3月7日（金）～5月6日（火）
会場：ギャラリィ＆カフェ 山猫軒
埼玉県入間郡越生町龍ケ谷 137-5 TEL 049-292-3981
定休日：月曜日～木曜日
金・土・日・祝日 のみオープンしています。ご注意下さい。
営業時間：11:00～19:00
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【3月の作家在廊日】
03月07日（金）11:00-19:00：feebee/SIGE
03月28日（金）11:00-17:00：feebee/SIGE
【4月の作家在廊日】
04月12日（土）12:00-17:00：feebee/SIGE
【5月の作家在廊日】
05月06日（火・祝日）14:00-19:00：feebee/SIGE
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[Facebook イベントページ] https://www.facebook.com/events/1463261140558988/