2014年夏、麹町にある取り壊し予定のビルを一棟丸ごと美術館に変えてしまったアートプロジェクト「#BCTION」の公式アートマガジンが発売された。
都心に突如現れて約2週間で1万5千人以上の来場者を記録しながらも消えていった#BCTIONを、当時の写真と各方面のクリエイターとの対談で解析していく。
謎めいていた#BCTIONの公式アートマガジン。未来に何を残せたのか?
1. Introduction イントロ コンセプトやヒストリー
2. 一万件を超えた#BCTIONのインスタグラムページ
3. 参加アーティスト80組による54ページにわたる1F~9FそしてB1Fの開催当時の写真ページ
4.インターネット上に存在したBCTIONの10階 #10F
5. インタヴューページ
松村宗亮（茶人）『人が来なければ茶の湯にならない。そこが面白い』
寺井元一（株式会社まつづクリエイティブ代表取締役）『みんなものだから。誰も使えない場所』
綛野匠美（GEISAI実行委員, kaikai kiki）『そもそも日本にはアートが社会に存在する事が許されていないんじゃないかくらいに感じます』
斉藤貴弘（弁護士）『常にクリエイティブである事を目指すハッカー倫理から学ぶ事は多い』
Shing02（ラッパー ミュージシャン）『壁に直接描いちゃうていう事自体がメッセージな部分てすごいあると思う』
6. 寄稿文
佐々木あらら（歌人）『ダンス・サッカー・ラップバトル』~連歌と#BCTIONの不思議な暗合~
米光一成（ゲームデザイナー）『人々は都市をハックし始めた』
7. 手紙による対談
大山エンリコイサム（美術家） X エイドリアン・ファヴェル（社会学教授）
『日本的サブカルチャー混淆地帯に、イヴェントという枠組みによって認識可能な風景を与えた』
8. Talk Session #BCTIONオーガナイザー2人とゲストによる対談
guset 濱剛志（株式会社gloops マーケティング本部 広報部 部長）
『モバイルゲームはいま、次のスタイルに進化しようとしている。』
9. #BCTIONオーガナイザーの嶋本丈士による写真ポエテックページ
『コンクリートジャングルに咲く花 破壊と再生を繰り返す都市の中で、いったい自分達はなにができるのか?』
10. #BCTIONオーガナイザーの大山康太郎による後記
『できる事の最大値を更新できたのは、本当に素晴らしい体験だった』
W297 x H210
152ページ
ISBN 978-4990847708
1500 yen +Tax
税込1,620円
HIDDEN CHAMPION オンラインストア
#BCTION Art Magazine
#BCTIONについて
「#BCTION」とは、 都市のデッドスペースの新たな価値付けを目標にしたアートプロジェクトである。80組以上のアーティストが参加し、DIY精神によって解体予定のオフィスビル全体をアート空間に変えようといった試みであった。第1回目の会場となった東京千代田区の「ニュー麹町ビル」は、リアルのB1F~9Fとバーチャルの10Fで構成され、壁画をメインにしつつも様々なジャンルの表現がボーダレスに折り重なって展開した。またエントランスでは一般の来場者が自由に壁画を描く事ができるフリーウォールが用意されており、インターネット上の仮想の10Fでは#BCTIONのコラージュ画像を自由に投稿できる等、クリエイティブを通じて人々の交流を生み出す事に成功した。そうしたクリエイティブの広がりは表現者と鑑賞者の境目を曖昧にし、純粋な創造性となって都市/インターネットに現れた。フロア合計約3000平方メートルものスケール感と、東京千代田区のオフィス街で行われるという意外性から話題となり、新聞、TV、ラジオでも取り上げられ、また来場者やアーティストによるSNSでの発信それ自体が宣伝となって、17日間で15,000人もの人々が来場した。「ニュー麹町ビル」はクリエイティブの力によって、取り壊し直前に活気のある新しい姿で生まれ変わったのだ。「#BCTION」とは、一つのアクション「A」が次のアクション「B」を促し、次々と新しいアクションが連鎖してクリエイティブが膨らんでいく様子を意味する造語。また、多様性のある無数のアクションが連なった全体像を指し、それらの集積を一つのまとまりとして強調するのに"#"ハッシュタグがつけられている。
#BCTION
http://www.bction.com