初登山した。登る前は物凄いアドレナリン。想像がつかない場面に出くわすと興奮が止まらないよね。歩き出しはよくあるハイキング。森を見て、植物を見て、遠くに沢の音が聞こえたり。バッグはまだまだ軽いと思えるそんな時間帯。
途中から周りが見えなくなるんだよね。そう、体力がなくなってくんだよ。今まで1時間、2時間、余裕で登っていたのが、急に足が動かなくなる。お腹も減ってくる。喉も乾く。最後のほうは30分に一回程度休憩するようになるんだ。休んでもさ、先の一歩を出すだけですぐに元の疲れが襲ってくる。
行き交う登山者に挨拶するけれど、最後のほうではもう見上げる事も無理なくらい疲労がたまってた。「こんにちわ〜」って言われたのに対して下向きながら「あうわうわ〜」って。足がとりあえず上がらない。突然キンキンに冷えたコーラが飲みたくなったり、肉をたらふく食いたくなったり。人間の欲という欲望がこみあげてくるんだ。
そんな中助けてくれたのが、冷たいおいしい沢の水。永久的に流れる沢の水を飲みまくる。水を浴びたりする。最高すぎるよね。
登頂する前に、山小屋にて昼食。コーラすぐ買う。400円でも買うよね。クッカーでスパゲティやミートボール、ウィンナーを男3人で食べる。持ってきたリンゴがおいしくて。山小屋には老若男女勢揃い。よくこのおじいちゃんとおばあちゃん平気な顔してここまで登ってきていられるなって、本当に自分の体力のなさを痛感させられる。
登頂前に30分ほど仮眠。
荷物を山小屋に預けて、山のてっぺん目指すんだけれど、荷物がないと、あらまあ飛ぶように登っていける。途中でNHKでしか見た事ない雷鳥の家族に出会う。感動しちゃうよね。岩だらけの山を無我夢中で登る。てっぺん着いた時、なんか泣きそうになっちゃったのね。周りの山々が雄大にそびえ立っているんだ。遠くに見える槍ヶ岳。なんともいいようがない出で立ちでさ。まだたくさん雪をかぶってて。
その日は山小屋で一泊。アドレナリンが放出されすぎてて、一睡もできなかったけれど、幸運はふいに訪れるもんだね。夜11時頃に、あまりにも寝れないから、持ってきたブランデーを飲み干してやろうって思って、防寒着着て、ブランデーと共に外に出たんだ。消灯時間は9時だったから、ばっちり真っ暗。そしたらさ、星がさ、あのさ星がさ、あのプラネタリウムより綺麗なんだよ!!!!!分かる!!!????田舎の地上から見るような星じゃないんだ!!!!田舎から見る星も綺麗だけれど、その数十億倍綺麗で大きく近くで見れるんだ!!!!地上からだと小さく見える天の川だったり、北斗七星だったり、他の星座も、物凄く大きく近くに見えるんだよ。しかも、星の数が今まで見た事ないようなくらい散らばってて、流れ星はそこら中に見えて、衛星までもが形すら見えちゃうような景色でさ。空いた口が塞がらないってこのことだと思ったよ。遮るものが何もなく、ただただ空いっぱいに広がる星空なんて山のてっぺん以外にどこで見られるんだろうって。
写真家の人がぽつんって立ってたんだ。だからブランデーもって話しかけにいった。ブランデー一緒に飲んでくれた。で、その写真家も、今日みたいに星空が綺麗な日は見た事ないって。すごすぎて、一生たっても忘れられない夜だって。俺も泣きそうになっちゃったしね。
早朝4時には下界を完全に遮るかのように雲海が朝日に照らされてて、初めて雲海というものを見る事ができた。
そんなこんなで、次の日は楽しく下山して登山の感動を秘めながら帰宅したんだ。
常念岳 2857m
登頂時間7時間?8時間?9時間?
完全にはまっちゃいました。
次はどこの山登ろうってすでにワクワク感がはんぱない。もう一回あんな星空見たいし、あのきつい想いがまたたまんない。おいしい水も飲みたいし。あんなに欲望が吹き出たのは初めてだったし。何から何まで感動の嵐。
これからもずっと登山続けていこうって思ったよ。