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Scott Bourne, Interview

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プロスケートボーダー? アーティスト?
呼び名や肩書きなどには到底収まりきれない。

詩、写真、ノーベル、ペインティング、スケートボードを用いて
表現し続ける男。スコット・ボーンの等身大に迫る。



■ まずは自身のバックグラウンドを教えてください。

出身はノースカロライナ。何もない田舎町で、小さな農家の息子として育った。17歳のときにカリフォルニアに移り、そこで10年ぐらい過ごしたかな。今はフランスに住んでいるよ。


■ 何かきっかけがあってフランスに移ったのですか?

今までに世界中の色んな国をトラベルしてまわったんだけど、フランスに行った時に一目惚れして、いつか住んでみたいと強く思っていたんだ。ちょうどガールフレンドと破局して自暴自棄になっていたタイミングもあって、フランスに移ることに決めたんだ。


■ 世界中をトラベルした中で、お勧めの場所はどこですか?

スケートボードで言えば、ヨーロッパ。信じられないような建築物がいたる所に建っているから無条件にテンションが上がるよ。人生経験としては、モンゴルが興味深かったな。


■ 今回の来日の経緯は?

PUMAのライダーとして6年ぐらいスケートしていて、唯一のプロライダーだったってこともあり、お互いの意志が自然に合致した成り行きで自分のシグネチャーシューズを出すことになって、そしてその流れで、フランスで行った作品展「convince me」を日本でも開催することになったんだ。


■ シューズのコンセプトはあるのですか?

この砂時計に羽を付けたグラフィックは、自分が長年続けているスタイルからきているんだけど「Time Flies」まさに時間は飛んで行くように過ぎ去っていく、といった意味で、中のハートはまさにハート(信念)をもって自分の与えられた時間、毎秒にハートを注げ、ということを表現している。人生は短いって意味もある。


■ 普段はどのように過ごしているのですか?

フランスにいるときはほとんどの時間を1人で過ごしているかな。読書したり書き物をしたり、自分の教養のための勉強をしていることが多い。プロスケーターの仕事柄スケートツアーに出ていることが多いから、わりと自分のための時間ってとれなかったりするけど、バンや飛行機の移動時間はなるべく本を読んだり、毎日綴っている日記もつけるようにしている。アマチュアレベルだけど写真も沢山撮ったりしているし。


■ 感銘を受けた映画や本はありますか?

本でいえばヘンリー・ミラーの「Tropic of Capricorn」をはじめ、本当に多くの書籍から影響を受けている。沢山有りすぎて全部は言えないな(笑) 映画はマーロン・ブランドが出演している「Last Tango in Paris」、ハンフリー・ボガート出演の「Casablanca」、ポール・ニューマン主演の「Cool Hand Luke(暴力脱獄)」、ケビン・コスナーの「A Perfect World」と「Field of Dreams」もよかった。


■ 人生で物事が悪い方向に進んだり、辛い出来事が起こったときにはどのように克服するのですか? 

それは一番苦手なことだな(笑)。本当に辛かったり悲しい出来事が起きたときは、酒に逃げたりするんじゃなく、ひたすら1人で耐え抜くしか克服する術はないんじゃないかな。自分の場合も、とにかく1人で時間をしのぎ、我を忘れて思いっきりスケートのビデオや写真撮影に没頭するしかないな。


■ スケートボードの最大の魅力とは?

正直言って、単純にストリートをクルーズしながら流すことより気持ちよいことはないんじゃないかな。例えば、東京はどこに行っても人で溢れているだろ?スケートボードに乗ってその人の間を割って滑っていくこと。大勢の人達がスケートボードに乗って近づいてくるスケーターを察知し、そして去ってゆくスケーターを見送る。スケーターの放つバイブレーションを人々が感じ取ることで、スケーターは真の自由を得られると思う。スケートボードに乗らない人には決して理解することのできない領域にある感覚だろうな。


■ 元スケーター、もしくは現役のスケーターのアーティストが多いのはどうしてなのでしょうか?

プロスケーターとして生活を送ることが出来るということは、自己表現をすることをある意味で社会的に認められてるっていうことだから、表現することに慣れてるというか、スケートをしていない時間に他の表現方法を自然と模索するようになっていくのかもしれない。全てのスケーターがアーティスト気質なのかもしれないな。ジェーソン・ジェシー、マーク・ゴンザレス、エド・テンプルトン、デニス・マクグラス(フォトグラファー)、ジョー・ブルック(フォトグラファー)、レイ・バービーなんかはアーティストとしての代表格。他にも大勢のスケーターが様々なアートフィ−ルドで活動しているけど、本当に凄い人は数えるぐらいだと思う。最近よくスケーターアーティスト、といった括りで取り上げられていることがあるけど、あれはジョークだよ。少なくても自分はスケーターアーティストのカテゴリーで一括りにされるのはごめんだね。自分のやりたいことを追求しているだけだから。


■ 明日、人類が滅亡し地球がなくなってしまうとしたら何をします?

明日世界が終わると分かったら、やりたいことをやらなかった人達がパニック状態に陥っているのを横目に見ながら笑うよ(笑) なぜなら自分は毎日を全力で悔いのないように生きているから。


■ 今後の予定は?

もうすぐ発売される詩集の準備と、いま書いている小説の出版に向けて具体的に動くことがいま今すぐにやらなきゃならないことで、その後の予定はまだわからないな。興味がありそうなことや楽しそうなプロジェクトには積極的に参加していくつもりだよ。


■ 日本のファンや若者にメッセージをお願いします。

常に同じことを繰り返し言っているんだけど「Follow No One」。とにかく自分らしく自分であれっていう事。でも実はこれはヘビーなメッセージだな(笑)。特に右を向いても左を向いても広告に囲まれている日本にいると、周りに流されないで自分らしくいるのは難しいだろうね。

 

 

Photo > Iseki
Interview > Kunjiro

HIDDEN CHAMPION ISSUE#10 February, 2008

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