convince me
4人のアーティストによる3つの表現方法の融合によって完成された今回のプロジェクト。
スコット・ボーンの詩、ステファニ・ソリナスとベルトラン・トリシェの写真、そしてジェレミー・コルティアルのシルクスクリーンによって創りだされる作品には“Cheating on the metronome”メトロノームをだます、ことを試みている。
過ぎ去ってゆく瞬間と戦うこと、一瞬立ち止まって消え去る時間をじっくり見ることの素晴らしさを、作品を通して伝えていこうとしている。
タイトルにある「convince me」なのだが、我々は立ち止まる錯覚によって納得させられているのだが、この作品を立ち止まって眺めることによって失われる時間は、無駄ではなく価値あるものだと考えている。
Stephanie Solinas
フランス人のフォトグラファーで主にポートイトを撮影。今回のプロジェクトは雑誌の企画から始まったという。雑誌に提案した企画が認められ、SPACE JAMと呼ばれるギャラリーへ企画は広がり、そこで好評だったプロジェクトは日本で開催するまでにいたった。写真のみの展示よりも詩やペインティングを加えることで、より強く世界観を表現出来ると考え、シルクスクリーン担当のジェレミ−に参加してもらうよう段取りを組んだ。凄くチャレンジなコラボレーションが完成し、日本の人々にも目にしてもらう機会に恵まれたことに感謝しているとのこと。
Bertrand Trichet
フランス人で、現在はバルセロナ在住。Carharttの広報やチームマネージャーを務める。スケートフォトグラファーとしてのキャリアも長く、ヨーロッパのスケート誌や広告なども手掛けている。今回のプロジェクトに対してのスタンスもスケートフォトグラファーらしく、いつもの撮影と同じようにインスピレーションが沸いたものだけを切り取り他のメンバーに提示したという。プライベートではステファニーのボーイフレンドでもあるので、写真家同士のセッションは良い刺激になったとともに、思いで深い作品になったと語っている。
Jeremie Cortial
今回のプロジェクトでシルクスクリーンを担当したジェレミー・コルティアル。他のメディアとシルクスクリーンをコンバインすることにより、普段の作品との相違性を出させ、より特徴的に魅せられるよう努めたという。プリントした写真や詩に光りが当たると頭に描いたイメージ通り仕上がらなかったので、光りの反射が少ない大きなスペース内に泊まり込んで、22枚の写真と詩とシルクスクリーンの融合を成功させたという。苦労の甲斐もあり、4人で組んだ初のプロジェクトが納得のいく作品に仕上がったことにホッと胸をなでおろしていた。
Photo > Iseki
Interview > Kunjiro
HIDDEN CHAMPION ISSUE#10 February, 2008