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DJ BAKU, Interview

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メジャーとインディーの“真ん中”の純粋に楽しめる場所。

それは与えられるモノでは無く自分達で作るコトだった。

アートやクリエイティブの本当の力を信じ、必然を感じスタートさせた

「KAIKOO」を引率するDJ BAKUのその活動の根幹を垣間見た。



■ 今回GROUP HOMEやMUROと共演したbathroomはいかがでしたか?

DJ BAKU(以下B)
:役割が決まってる感じでやりやすかったですね。ドラムンベース回してたのなんて俺くらいでしたもんね。bathroomは前から知ってて出たいなと思ってたので良かったです。あと、スタッフもみんな優しくて、あったかい感じで楽しかったですね。


■ 色々な方と曲作りをしてますよね。この人と、と思う基準はありますか?

B:特に言葉で表す様な基準は無くて感覚的なものですね。でもそれが今の所うまく行ってるんですよ。会ってみて本当に嫌な人だったらやらないだろうけど、今までそういう事は全然ないですね。一緒にやってみるとみんなすごく職人っぽくてストイックで、無意識のうちにそういう人を選んでるのかもしれないですね。


■ 4月に出された2ndアルバム「DHARMA DANCE」の中の「DRAGON CIRCLE」という曲はBMXの為に作ったそうですが、どんなイメージですか?

B:最初は「CIRCLE OF BALANCE」っていうBMXの世界大会が2007年に東京であって、そこでDJをする話をもらってその為に書き下ろした曲だったんですよ。BMXって円になってグルグル回るじゃないですか?それと、アジアっぽい雰囲気を出したかったから龍が円を描くイメージを曲にしたんですよ。


■ BMXライダーとの交遊も広いですよね、昔から仲が良いんですか?


B:いつからだろう・・・シャーリーはすごい昔から知ってて。そしたら、「BMXのシーンは良い音楽になかなか恵まれてなくて、バクみたいな音楽なら一緒にライブとか出来るからやってくれ」みたいな事を言われたんですよ。そこから光太郎くんとかと仲良くなったり、ちょっとしてからその大会があったりして、流れとしてはすごく良かったですね。 ・・・だから5、6年前からかな、すごい早く感じますね。
 

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■ レーベル“POPGROUP”の坂井田さんとの出会いはどこだったんですか?

B:日本人アーティストの祭典みたいなイベントがパリのセーヌ川の船上で開催されて、1週間位毎晩日本人がDJしてるんですよ。そこに俺も呼ばれて、そこで会ったのが初めてですね。ヒカルくんもいたし、rei harakamiさんもいたし、GOTH-TRADもいたし。その時の田中フミヤさんの人気はすごかったですね。

坂井田(以下S):その後一緒にフランスの郊外ツアーに行ったんだよね。で、バクは日本帰ったけど俺はまだロンドンにいて、しばらくして日本でまた会った時にDVD作ろうって話になって。そのDVDが2005年に出した「邂逅/KAIKOO」ですね。

B:俺、当時から映像を撮りためてて。その時は周りにそういう事やってる人がいなくて自分で撮るしかなかったんですよ。アングラでやってる人は映像が何も残らないのが常で、そういうのを今まで何回も見て来たから自分だけでも撮っておこうって。自分達の周りは盛り上がるって確信があったし、BMXのことにしてもDJやる人なんて聞いた事なかったしね。ある程度撮っておいて、その話を振ったんですよ。

S:俺は海外から日本を見てたんだけど、あのフランスのイベントに行って、初めて“日本人やばい”って思ったんだよね。そういうのを映像にしたくて一緒にやろうって展開になって。まぁお互いスタートは違ったんだけど、最終的に「邂逅/KAIKOO」が出来たんだよね。
 

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■ 今の日本の音楽シーンをどう思ってますか?

B:昔よりも両極端になってるかな。でかいイベントはひたすらでかくて、小さいのは友達とやる様なパーティになってる感じかな。昔はもっと真ん中があった様な気がするんですよね。俺達ってミスチルとかそういう人達じゃないし、だからといって10人とかの規模でやりたい事でもない。だからこの「真ん中」を自分たちで作るしかないと思ったんですよね。だからbathroomくらいの規模のイベントに呼んでもらうのはバッチリで、そういう所がもっとあってもいいと思いますね。


■ これからはイベントとしてのKAIKOOもどんどん大きい規模にしていくんですか?

B:打倒レゲエ祭ですね(笑)。行けたら楽しいっすよね。不思議なのは関西のレゲエFESの人達もオリジナルのCDを出してる訳じゃなんだけど、イベントでは何万人という人が来てるでしょ?一個のムーブメントになってますよね。俺らはCD出してるし、ある意味もっとそういう風になってもいいかなって。「KAIKOO」っていう一個の、真ん中の層の人達が集まるような場所になっても面白いかなって思いますね。


■ ちょっと遡って、高校生くらいのバクさんはどういう人だったんですか?


B:10代の後半くらいは完全に、黒人・ブラックミュージックしか認めてないようなやつでしたね。とはいえ、その前はレッチリやビースティーとかも聞いてたんですけどね。でもその後にヒップホップにのめり込みすぎて、ロックにラップが入ってるのとかが偽物に聞こえたんですよ。今思うと馬鹿らしいんですけどね。


■ 影響を受けた人はいましたか?

B:日本人だとKRUSHさん・・・いや、日本人じゃなくてもKRUSHさんですね。19歳位で初めて見たんですけど、こういうやり方もあるんだって衝撃でしたね。KRUSHさんは「生きてる」人だから、人間的な意味でも染まった部分は大きいと思います。10代の頃に受けた影響なのでそれは今後も変わらないと思いますね。
 

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■ 今後の予定は?

B:色んな人と会う度に色んな話が出て来ちゃうんですよね。ラップアルバムも作りたいし、楽器やってる人とも何かやりたいって思うし。TUCKERさんともやりたいですね。あとdj KENTAROとはやろうって言ってるんだけど、ツアーとかで出来てないんですよ。あとはanticonとのアルバム制作が一番現実的かな。anticonとはホントに気が合うんですよ。もしかしたらそれは、あの人達は白人で“ヒップホップは黒人のもの”っていうコンプレックスみたいなものがあって、そういうちょっと外れてる様な感覚が何か似てるからかもしれないですね。まだまだやってない事はいっぱいあるし、今後は日本だけじゃなく海外勢ともやって行きたいですね。


■ では最後にHIDDENを読んでる人達にメッセージをお願いします。

B:きっとHIDDENは10代の子が一番読んでるんじゃないかと思います。考えてみたら僕も10代の頃にいっぱい色んなものを見てるんですよ。そこがスタートで今がここだから。きっと20歳になって初めてのクラブだと得るモノが全然違うと思うんですよ。そこらへんの3、4年って重要じゃないですか。だからこれを見た10代の子にはイベントに来てほしいですね。まぁクラブは法律的には無理かもしれないけど夕方とかでも時々やってるし、出来れば何とかして(笑)。爆音で聞くのがこんなに気持ちいいんだとか、かわいい女の子が沢山いるんだとか、そういうトコからハマるもんじゃないですか。そうして通ってるうちに、クラブミュージックってただのチャラチャラした音楽じゃないんだって思えれば一番ですよね。20歳過ぎてからだと全然違うと思う。だから今は、俺らの事を気にしてくれてる10代の子達に出来るだけ会いたいですね。機会があったら本当に遊びに来てほしいですね。




<プロフィール>

DJ BAKU(DJバク)
www.disdefensedisc.com
www.myspace.com/djbakujapan

HIP HOPを基盤にしながらもターンテーブルを操り常に新しいダンスミュージックを提案する、オルタネイティブDJ/トラックメイカー。1999~2004までの5年間のARTIST達との交流を描いた音楽ドキュメンタリー映画「KAIKOO/邂逅」は若者のバイブルとなる。'06年6月には1st Album「SPINHEDDZ」をPOPGROUP Recordingsよりリリース。同年後半にはD-STYLES, Kid Koala, Q-BERTとの共演も果たし、同年12月にはGUITER WOLFとのスプリットシングル「ULTRA CROSS Vol.3」をリリース。'07年変名プロジェクト[Noizd Phank a.k.a DJ BAKU]をスタートさせる。THE BUG (ex. TECHNO ANIMAL)等数々の海外アーティストのRemixを完成させる等活動の幅を広げる。そして遂に、2008.04.05 DJ BAKU 2nd Album「DHARMA DANCE」(ダルマ ダンス)を<POPGROUP Recordings>よりリリース。今までのようにサンプリングを多様しながらも、ギター、BASS、DRUM、中国の弦楽器 二胡などの生楽器とのレコーディングを導入。前作よりもぐっとBPMを上げたHIP HOP/ROCKの要素を取り入れたDance Music Albumになっている。


POPGROUP Recordings(ポップグループ・レコーディングス)
www.pop-group.net
www.myspace.com/popgrouprecordings

2005年にPOPGROUPよりDJ BAKUと共に制作をしDVDとしてリリースされた音楽ドキュメンタリーフィルム『KAIKOO/邂逅』が若者のなかで大きなムーブメントになりレーベルをスタート、主催イベント『KAIKOO』も企画運営する。2008年に横浜で開催した『KAIKOO meets REVOLUTION』は5000人以上の集客し中型フェスにまで成長した。
エンターテイメントし過ぎるか自分の殻にこもってしまうかこの2つの選択しかない日本の状況の対して、メージャーとインディーの間の音楽中心のマーケットの確立を目指す。
 『日本の音楽シーンにメジャーとアンダーグラウンドの間の音楽的に健全な市場を作り。』『海外/日本壁なしに音楽活動できる環境作り。』 この2つをカタチにする為にPOPGROUPを立ち上げました。
所属アーティスト:DJ BAKU/oak/RUMI/GOTH-TRAD/BLACK GANION/YAS-KAZ/SLIPSTREAM




Text > Natsumi Oike
Photo > Yasunori Hasegawa
HIDDEN CHAMPION ISSUE#11 August, 2008

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