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Specifics Interview

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Think Twice

Hydeoutからリリースされた12インチによってジャジー・ヒップホップ・ファンの

度肝を抜いたカナダ発の新鋭ヒップホップ・グループ “スペシフィクス”。

2007年11月の記念すべき初来日公演を終えてカナダへ戻ったプロデューサー、

シンク・トゥワイスとMCゴールデン・ボーイの2人にインタビューを試みた。


■ カナダのモントリオールの出身らしいけどどんな街?


Golden Boy (以下GB) : モントリオールに住み始めたのは最近で、生まれたところは実はバンクーバーなんだ。海の隣街で山とか林もいっぱいあってすごいきれいな街だよ。雨はかなり降るけどね。

Think Twice (以下TT) : 僕はブリティッシュコロンビア州の首都、ビクトリアで生まれたんだ。バンクーバーの近くだね。モントリオールに住み始めたのは7年前からだよ。この季節のモントリオールは雪が降るんだけど、ちょうど今も90センチくらい積もってて、今朝なんか車に乗ろうとしたら、完全に雪に埋もれちゃってたよ。車を掘り出すのに午前中いっぱい費やしたくらいさ(笑)。


■ 小さい頃はどんな子供でしたか?

GB: いっつもうるさくて、いたずら好きな子供だったね。小さいころから音楽には興味を持っていて、ピアノはかなり小さい頃から弾いていたよ。学校の成績は良かったけど、態度はいつも悪かったね。10歳くらいからラップを聴きだして12歳の時にはWu-Tangのアルバムを買ってたよ。

TT: 僕はシャイな子供だったな。まぁ、たぶん今もだけどね(笑)。7歳の時にピアノを始めて、小学校と高校ではサックスもやってたよ。スポーツも好きで陸上を熱心に始めたんだけど、最終的にはスケボーにはまってた。でもちょうど去年の9月にスケボーは止めたんだ。スケボーから落ちて転んだ時に肩を脱臼したんだよ。知らない間に自分も歳をとっていて、もうスケボーをやる歳じゃないんだな、って思ったね(笑)。
 

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MC Golden Boy


■ SPECIFICSはどうやって結成されたの?

GB: モントリオールにあるコンコルディア大学に通う事になって寮生活を始めたんだ。そこは小さな寮だったからみんな仲のいい友達みたいな感じだったんだけど、その中にThink Twiceがいたんだ。そのうち2人とも、ラップを作ったりすることに興味があるって事が分かって一緒に遊びでレコーディングとかをするようになったんだ。

TT: 最初に作り始めた時は本当にただの遊びだったね。でも2年生になってからかなり真剣に音楽作りを始めて、それがゆくゆく「Lonely City」の完成に繋がっていったんだけどね。大学ではオーディオレコーディングを専攻していたから大学のスタジオが使えて、僕らのファーストアルバムはそこでレコーディングしたんだよ。


■ 影響を受けたアーティストは?また今気になるアーティストは?

TT: 僕が一番影響を受けたのはJ Dillaだと思うな。それからA Tribe Called QuestとかHi-Tekにもかなり影響されたね。今はなんでも聴くし、サウス系の新しいHIP HOP、あとはR&Bなんかも沢山聴くよ。今度のSPECIFICSのニューアルバムはフックの部分や808ドラムマシーンからもサウスの影響を受けてるって事が分かるんじゃないかな。

GB: ラップを始めたころは、Ghostface、MF Doom、Camp Lo、Swollen Members、Noreaga、Mobb Deepなんかを聴いてたね。僕の書いているリリックでたぶんそれが分かると思う。最近はCappadonna、Sadat X、Madlibとかをよく聴いてるかな。他にもいろんなジャンルの音楽を聴くよ。


■ 音楽制作のコンセプトや気をつけている所は?

GB: 音楽を作るときはとにかくリリックに集中する事だね。ポエティックなコンテンツをテクニック的な部分と心地良いライムとのバランスが取れる様に心掛けてるよ。コンテンツってゆうのは詩の主題の事なんだけど、僕は自分自身の人生についてを書くようにしてるんだ。リスナーのみんなが、それぞれの人生の中でのシチュエーションに置き換えて共鳴できるようにね。もちろんジョークなんかも交えてね (笑)

TT: 僕が音作りをする時は、その時のフィーリングを大事にする。そしてだいたいいつもこんな感じにしたいってゆうアイディアがあるからただひたすらそれを作り上げる。トラックが出来たらGolden Boyに送って、後は、彼のマジックをかけてもらうだけさ!


■ NujabesのHydeoutから'12をリリースしてますが、その経緯は?

TT: Nujabesとは共通の友達がいて、その繋がりがきっかけで幸運にも一緒に仕事をすることになったんだ。Hydeoutからは2枚のシングルをリリースしたよ。SPECIFICSのファーストアルバムに収録されている“Under The Hood”と僕のソロアルバムに入っている“People Wanna Know”の2曲。Nujabesの音は本当に僕らも大好きでGolden Boyは東京にいる間にNujabesとレコーディングをしたんだ。 

 

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■ 日本の印象はどうでしたか?

GB: 日本は大好きになったよ。ずっと行ってみたい国だったからついに夢が叶ったって感じさ。ただすっごい遠かったけどね。今までの旅の中で一番遠かった(笑)。 でもそれだけの甲斐はあったよ。HIP HOPを通して沢山の人に会ったけど、皆とっても歓迎してくれたし、すごくアットホームな雰囲気だった。あと僕のお気に入りは、建築物や食べ物、それからビールかな。ちょっとしたものでも思いつかないようなデザインだったりして、日本の方がずっとお洒落で優れてるね。

TT: Golden Boyが言うように、やっと日本に行けて本当に嬉しかったよ。文化が違うのに、自分達がよそ者の様な気が全然しなかったね。みんなとっても温かく受け入れてくれて嬉しかった。日本人はすごくお互いを尊重し合うし、周りの人々にもすごく敬意を払っているなって感じたよ。それから電車での“携帯電話使用禁止”、あれすっごくいいね(笑)。
あと東京のゴミの少なさにも驚いた。みんな環境についてちゃんと考えていて素晴らしいと思ったよ。それと日本は安全。カナダはひったくりとか日常茶飯事だからね。


■ 今夢中になっている事はありますか?

GB: ちょうど今、昔のスーパーファミコンのゲーム音楽のカヴァーをやっていてアコースティックギターで制作してるんだけど、結構それに夢中かな。あとバンクーバーにいる頃からサッカーをやっていて今も続けてるんだ。体を動かしたりして常に健康には気をつけてるよ。

TT: つい最近Wiiを買ってノンストップでずっとやってる。制作作業をしていない時は、確実にWiiをやってるね。あと趣味で写真も撮ってるよ。上手くはないけど、けっこう楽しいよ。


■ 今後の目標を?

GB: 僕は音楽を作り続けて行くことが目標かな。自分が満足できるもの作りっていうのは追求し続けても終わりがないからね。もっといいリリックを書きたいし、もっといいビートが作れるように努力をする。そして心身ともに健康であること。お金なんかは後からついてくるもんだと思ってる。

TT: いい音作りへの専念。これはGolden Boyも言ってるように、いい音楽を作るってことは、終わりのない旅と同じようなもんなんだよね。それと去年は新しいアーティストとのリミックスとか、コラボレーションなんかもしたんだけど、もっとこういう事もしていきたいと思ってる。歌を僕なりの形に再加工していくのは本当に楽しいよ。R&Bももっとやっていきたいかな。それからもちろんSPECIFICSのニューアルバムも制作するよ。


■ 日本のファンにメッセージを。

日本のファンのみんな、応援ありがとう。日本のみんなが僕達の音楽を楽しんでくれてることは、本当に嬉しく思うよ。日本に行けたことはすごい誇りだし、また日本に行ける日がくることを楽しみにしているよ。


www.myspace.com/specifics




Photo > Yasunori Hasegawa
Interview > Hidenori Matsuoka
Translation > Shinobu Sakamaki
Thanks > HITOMI Productions
HIDDEN CHAMPION ISSUE#10 February, 2008

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