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DJ RYOW a.k.a. smooth current Interview

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最近の「bathroom」に続けて出演してくれたLevitatorzの主要メンバーであるDJ RYOW a.k.a. smooth currentに音楽活動に対する気持ちを聞いた。


「ジャンルが細分化されすぎる事で、みんなの聞く音楽の幅が狭くなってる気がして、それは寂しいですね。」 (DJ RYOW)
 


■ まずプロフィールを教えて下さい。

もう12、3年くらい都内でずっとDJをやっていて、スムース・カレントという名義でトラックメーカーとして曲も制作しています。



■ いまの活動内容は?

渋谷のFamilyで毎月第一土曜日にPleasureっていうイベントをやっています。Pleasureはレギュラーで始めてもうすぐ11年目ですね。


■ 11年て凄いですね。

なんだか続けてたらそんなにやってますね。


■ どういう経緯でDJを始めたんですか?


もともと、スケボーやったりヒップホップ聞いたりそういうカルチャーが好きで、17、8歳頃に始めました。でも、当時はまだDJ機材はあまり売ってなくて注文してから届くまで1ヶ月とかざらにかかりましたね。そしてミックステープ作って「やらせて下さい」ってクラブに持って行ったんですよ。今じゃとても聞けない様なテープですけどね(笑)。そこで働きながら空いた時間にレコード触らせてもらったりしてました。今考えると生意気なガキだったと思うんですけど、色んなDJを聞いて、なんでこうするんだろうって思う事が多くて、俺ならこうするのにっていうイメージが膨らみすぎて、じゃあってDJ始めようと思ったんですよ。でもやってみると難しくてコリャ出来ねぇやって(笑)。でもだからハマったのかも知れません。


■ 影響を受けた人は?


当時はちょうどネイティブ・タン全盛期だったし、A Tribe Called QuestだったりGang Starr、Common、the Beatnuts、ED O.G.とかカッコいいなと思ってましたね。渋谷にCaveっていうクラブがあってKENSEIさんとかKEN-BOさんのDJは良く聞きに行ってました。ブースに見に行けずスピーカーの横にずっといる少年でしたが。


■ 自分の中でこういうDJがやりたいっていうのはありますか?


僕はお客さんを見ながら選曲を考えたいという気持ちが特に強いですかね。全員が知らない曲でも、その前後の流れで自然と踊れる様な雰囲気を作りたいと思ってます。


■ DJってイメージというか色が付きすぎると逆にやりづらかったりしませんか?特にアンンダーグラウンドだとこだわりの強い人も多くて。

それはありますね。もともと僕らは変な隔たりとか持って無かったじゃないですか?ヒップホップはヒップホップでカッコ良いものはカッコ良いってだけだったのに、今はあのネタ使えばジャズ・ヒップホップでこのネタ使えば何々系でとか変にカテゴライズされちゃうんで。たまにお客さんに「なんであの曲をかけたんですか?」とか、「ちょっとイメージと違いました」とか言われる事もありますけど、ジャンルが細分化されすぎる事や、音源でのイメージを強く持たれ過ぎるという事もあって、みんなの聞く音楽の幅が狭くなってる気がして、ちょっとそれは寂しい事ですよね。


■ トラック制作はいつ頃から?


DJ機材を買った2年後位にはサンプラー買ってましたね。といっても、周りに教えてくれる人もいないし雑誌とかも今みたいに情報が無かったんで全然分からなかったんですけど、、、最初にE-muのSP1200っていうサンプラーを買ったんですよ。今では名機なんて言われてますけど当時は普通に売ってたので。で、何も知らずに買ったもんで説明書は英語だし、10万円位出してサンプリング出来るのたったの10秒ですよ(笑)。これでどうやって作ってんだ?って感じでしたね。でも制限があるのも楽しかったですけど。

 

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■ Levitatorzというユニットでも活動してますが、どういうユニットなんですか?

レヴィテーターズは、僕とShin-ski of Martiangangの2人で曲を作るユニットですね。でもライブの時はDJ Mista DonutやTSUがDJとして入ってレヴィテーターズ-3とか4っていう名前でやったりもします。普段はレコードばかり触ってますが、レヴィテーターズのライブの時は僕はレコードを触らないんですよね、サンプラーだけで。そこにみんなが音を合わせてくる、そのセッションがなかなか面白いんです。この前のC.L.Smoothとの“bathroom”の時も気持ち良かったですね。“bathroom”は毎回イベントの雰囲気もお客さんの感じも凄く好きですね。


■ ShinSight Trioというユニットは?

Insightっていうボストンのラッパーがヴォーカルで、Shin-skiがトラックを作って僕がDJとしてスクラッチをする3人構成のユニットです。ちょうど9月に全国ツアーをするんですよね。


■ RYOWさん周りのアーティストはどうですか?若手とか?


まだまだ自分が何かを達成出来たと思えてないから周りに言える事もあまり無いんですけど、先駆者の方達が作ってきた土台を僕達がさらに耕してここまで来てると思うんで、自分もきっかけや地場を作れる存在になりたいと思いますね。


■ 色々やっていますが、一番メインだと思ってる事は?

やっぱりDJですかね。一番長くやってるし、何より無心で出来るので。ただ僕はDJを連発出来るタイプじゃないんですよ。毎月10数本とかやってる人もいますけど僕は無理ですね。ちゃんと毎回イベントのタイムテーブルを貰って自分に求められてる事を考えてイベント全体が楽しく盛り上がる様にしたいんで。DJの本数が増えると自分のDJの時間だけ来て終わったら帰るっていうスタンスになるかも知れないじゃないですか?僕の中でそれだけは絶対タブーなんですよ。ちゃんとイベントの一員として最初から最後まで楽しみたいという考えなんで。頭が固いって言われる事も多いですけどね。


■ 気にしてる事はありますか?

トータルバランスだったりしますね。DJもライブやトラックメイクもすべてを良いバランスでやりたいです。今Shadeっていうラッパーのリミックスやってたり、アルバムも来年あたりには作りたいと思ってるんですけど、トラックだけではなくDJもライブも全部良いバランスでやっていきたいです。


■ イベントにどういう人に来て欲しいですか?

HIPHOPが好きな人もそうでない人も、ジャンルの垣根にとらわれず、興味のある人はみんな遊びに来て欲しいですね。
 


<プロフィール>
DJ Ryow a.k.a. smooth current(DJリョウ a.k.a.スムース・カレント)
東京都出身のDJ/トラックメイカー。都内は勿論のこと、日本各地のイベントや、シーン注目の海外アーティスト達のライヴ・イベントへの出演等、豊富な現場経験はシーン随一。ツボをついたセンス溢れる選 曲と巧みなスキルを交えたクラブ・プレイは、聴き手を一瞬にして独自の音世界へと引きずり込んでいく。
人気ミックス・シリーズ『Family』、『Pleasure Unplugged』、『Feel』等をリリースし、多くのファンを魅了していると同時に、ミックス音源に収録された曲がレコード店でのセールスに大きく反映されるなど、 DJとしての「確かな耳」と「絶大な影響力」を持つカリスマ的存在として注目を浴びている一人だ。
また、海外アーティストのリミキサー、トラックメーカーとしても起用され、素晴らしい手腕を発揮。その名の通り、色彩豊かで流麗なサウンド・プロダクショ ンは、幅広いリスナーに受け入れられている。
2005年に、トラック・ティーム「Levitatorz」を、2006年には、極上のヒップホップ・ユニット「Shinsight Trio」を結成。コンピレーション・アルバム「Blue Ceronicleや」、アルバム「Shallw Nights Blurry Moon」を発表するなど、国内外で八面六臂の活躍をみせている。今後も様々な作品を控える、希代のサウンド・クリエイターだ。

www.pleasure-pro.com
www.myspace.com/djryowsmoothcurrent





Text > Hidenori Matsuoka
Event Photo > Takashi Akiyama
HIDDEN CHAMPION ISSUE#09 August, 2007

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