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Posted by @momomagazine

一人でバリ島に行って来た話

一人で4泊、バリ島に行って来た。

理由は特にない。行けるから行った。それだけ。

時間がギリギリどうにかなって、お金もギリギリどうにかなる時がある。そういうギリギリの切羽詰まった時に決まって私は一人でフラッと旅行したくなる体質みたい。「一人旅」は、これまでにハワイのマウイ島、イタリアのカプリ島、スペインのマヨルカ島とか、いろいろ行ったけど、「自分へのご褒美」みたいなモノでは決してない。ストイックに自分と向き合って、「観光」じゃなくて未知の文化から何かを教えてもらう、私にとってはそういう時間な気がする。

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初日から素敵な夕暮れだった。#nofilter

以前バリ島を訪れた時は、ぼんやりしながらも、地元のガイドのスンドラさんに変な日本語で神様のことやお祈りのしかたなど、いろいろ大事な事を教えてもらった。>>去年のブログ

「どうやって生きればいいんだろう」みたいな大きな?マークを抱えながら、これでいいんだろうかと立ち止まってしまうことばっかりで。またバリの神様がなにか教えてくれるんじゃないか、なんて期待もあった。

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この時期、湿度も温度も高いバリで、あえてクーラー無しの部屋を選んだ。ホテルじゃなくて、B&B。一人旅のときは、朝ご飯付きで、フレンドリーなB&Bに泊まることにしている。ここは一泊3000円もしないけど、優しい人たちと手入れの行き届いたお庭とWIFI完備のとても理想的な場所。

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毎朝、作り立てのオムレツやバナナパンケーキと、庭でとれたフルーツの盛り合わせや絞りたてのジュースを持って来てくれる。熱々のバリ産のコーヒーと一緒に、バルコニーでゆっくり味わって食べる新鮮な朝ご飯ったら本当に贅沢。

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日中は、メールの返信したり、skypeミーティングしたり、最低限の仕事して、あれ?なんかこういう場所でも仕事できちゃうの?と思ったら、他の宿泊客はみんな私みたいにぼんやりと「インターネット上でPRとかマーケティングみたいなことをやりながら東南アジアをフラフラしている30歳前後」だった。後から一緒にヨガやるぐらい仲良くなっちゃった。

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一人旅の時は、いつもなるべくやったことないことに挑戦する良いチャンスなのだけど、今回はウブド(バリ島の中心部の山の上のほう)で現地のお料理を教えてくれる場所を見つけて、行ってみた。

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一時間ほどドライバーさんが運転してくれて、いきなり見渡す限りの田んぼの真ん中で下ろされる。「ちょっと待っててね。たぶん10分ぐらい。待ってもらうなら景色の一番良い所がいいかなって思って。」あ、なんかそれ素敵なおもてなし!

ホテルもヴィラもお店も無い。私と、田んぼと、数羽の白い鳥、風が通り過ぎる。不思議と不信感みたいなものや恐怖感も無い。知らない場所に一人でいるにしては珍しい感覚だった。

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しばらくすると、ワヤンさんという人が登場して、この田んぼが何世代にも渡って各家庭に受け継がれていることや、収穫の周期とか、お米の種類のことを説明してくれた。水は全てのコミュニティーが共有しているから貴重なんだよとか、そういう話。

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ワヤンさんのお家のお寺を見せてもらう。バリのお家には必ず住居部分より高い位置にお寺があって、一日3回お供え物をしている。とても神聖な場所で、ご先祖様のお話をうかがう。

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ワヤンさんの屋外キッチンで始まったお料理教室。バリのお料理の基本であるココナッツオイルも、ご近所でお裾分けしてもらったココナッツミルクから自分たちで作る。

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ほとんどの食材は、このお宅の敷地内で栽培されるか、ご近所からお裾分けしてもらっているもの。材料を見てるだけでもキレイ。日本ではあまり馴染みの無い生のターメリックとか、マカダミアナッツ、ガーリック、ショウガ、スパイスなどを使ってイエローカレーのペーストを作る。

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お料理教室は、みんなワヤンさんのご家族と一緒に並んで、一つ一つ教えてもらう。なんか、ホームステイみたい!!

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石のすり鉢。「根気よく」なんて言わないの。

「この作業はね〜、夕焼けを見ながらヘラヘラしてやるのがいいの!鼻歌を歌ったりね、ふっふ〜!って言ったりしているうちに、カレーのペーストになるのよ。」

ミキサーだったらボタン一発かもしれないけど、ヘラヘラして夕陽を見ながら作るって、最高に楽しいの。

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イエローカレーのペーストは、鶏肉のミンチやハーブと混ぜて、竹にくっ付けてバリ風「つくね」のグリルにしたり、マグロと和えてバナナの葉で包んで蒸したり、かなり万能。

ワヤンさん家族は、それぞれがグリル担当からお片づけ担当、揚げ物担当、気まぐれに楽器を持って来て音楽を奏でてくれたり、さらに万能だった。以前は家族がみんな別々の仕事をしていたそう。奥さんは、メイドや清掃員やいろいろな仕事をしているうちに、ホテルで料理を教えることになって、それがこの自宅でのお料理教室へと発展したそう。前の仕事は本当に辛かったけど、こうして子供たちや家族みんなで毎日お客さんを迎えて、大好きな料理を教えて喜んでもらうのが本当にハッピーだってニコニコしていた。

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3時間半後、7種類(!)の料理を作り終わる頃には外は真っ暗。この土地で採れた物を使い、一つ一つの作業を機械を使わず行う調理。そして何よりワヤンさん一家とニコニコしながら作ったお料理を、虫の声が響く星空の下でいただく。あたたかくて、美味しくて、ハッピーすぎて、なんだか少し泣きそうになった。さっきの田んぼで作られたお米は、一粒残らずいただいた。

「一人旅」には、アタリとハズレが必ずある。どれだけオープンマインドで準備万端でも。ワヤンさん一家のお料理教室は、今むちゃくちゃな開発が進んで「バリらしさ」が崩されつつあるあの島で、最高に貴重な体験だった。強烈な栄養素を注入してもらった。

SNSをフル活用したマーケティング、サステナブル、自給自足で地域密着型であり、オーセンティック(本場の本物)である。ワヤンさん一家こそ、日本が注目するべきビジネスモデルだぐらい言っちゃってもいいと思ってる。

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