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Posted by @momomagazine

多分一回じゃ終らないシンガポールのコーヒーの話

フィラデルフィアでもニューヨークでも、コーヒーが美味しい!なんて思った事は一度も無かった。美味しいと思ったどころか、自分からお金を払ってまで飲みたいと思った記憶すら無い。

二十代の半ば、仕事でイタリアに行くようになって、初めてカプチーノというヤツを飲まされた。時差ボケの頭に、衝撃が走ったのは今でも忘れない。ドッシリとした豆っぽさのあるエスプレッソの、あのパンチの効いた苦みと、温かく優しい牛乳の味の香るなめらかなフォーム。大きめのマグカップのフチに溢れそうに混ざり合いながら、白鳥のシルエットがふんわり浮かび上がってる。

なにこれ...大人のオンナの朝って感じ!!!

所変わってシンガポールでも、コーヒーの世界には粋な大人のこだわりを感じる。それは街の中心部ではなく、ちょっと外れ。独特な文化が生まれつつあるエリアの古い建物に隠れて、新しいカフェがひっそりと大人達を癒してる。

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1820年代からアラブ系の商人たちがビジネスを営むアラブストリート。歴史を感じるユニークな建物を利用して、若いクリエイティブな人たちが新しいビジネスで勝負に出る活気あるエリア。

カフェ、Maison Ikkoku(ん?懐かしの、あの漫画?)は、「コーヒーはこうじゃなきゃダメ」っていうこだわりを持った、ワガママなコーヒー好きのためのお店。サイフォン、ケメックス、エアロプレスにコールドドリップまで、「淹れ方」から指定できる。そして2011年のオープン以降、ラテアートのトレーニングに、日本からSTREAMER COFFEE COMPANYの澤田洋史氏を招いている。

で、先週「月曜日に2時間だけ澤田さんがゲストバリスタで来ているからカフェラテ飲みにおいでよ〜」とメールもらっちゃったのでお言葉に甘えてきた。

ad63fb36c69e11e2adfe22000a1fbd6c_7.jpg澤田氏、オーストラリアのメルボルンで行われていたインターナショナル・コーヒー・エクスポからシンガポール入りして、またすぐアメリカに飛んで主要都市を回るという噂... 世界中で「技術」を教えているってすごい。 今日も、地元の新聞記者たちが取材に来ていて、質問に答えながらラテアートを披露していらっしゃいました。

805420a2c69f11e2a5f122000a1f96b9_7.jpgお店の方によると、豆やコーヒーの淹れ方に関してはシンガポールでも研究を重ねてこだわっているお店はたくさんあるみたい。だけど、「注ぎ方」の繊細さは、やっぱりまだまだ技術が必要。シンガポールのお客さんはせっかちだから、早さを求められる時もあるけど、豆、焙煎方法、淹れ方、注ぎ方、全部にバランスを持ってコーヒーを提供したいんだって。

三階建てのMaison Ikkoku、カフェだけでなく、アパレルショップと新鮮なフルーツをたくさん使ってカクテルを作ってくれるバーもあって、小さいながらも多目的な空間になってる。古い木造アパートにいろんな下宿人が...ってやっぱあの漫画を思い出してしまうんだけど。

>>Maison Ikkoku

 

 

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