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Posted by @momomagazine

「流行ってない」が最強。

今住んでいる家から徒歩15分ぐらいに、ここ数週間、週一で通っているバーがある。最初はお仕事関係の友人に連れて行ってもらったのがきっかけだったのだけど、お店の雰囲気も、かかってる音楽も、なんか独特で好き。そしてなにより飾られてるアートが最高。

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ベトナムへの一人貧乏旅行から帰って来て、久しぶりにお店に行ったら、なんか、壁がスカスカ...

「え?ねぇねぇ、あのデッキどこ行っちゃったの?」っていつも最強に美味しいブラッディ・マティーニを作ってくれるバーテンダーさんに聞いてみた。

「あー。このアーティストの作品、もう全部完売しちゃっててね、もう取りに来ちゃったお客さんが何人かいるんだよー。」

63ea04c6df3211e2beb322000aaa0754_7.jpgえぇーーーーものすごく気に入ってたからすっごいショック!

このアーティストの名前は「P7」といって、バンコクのストリートアーティストだと聞いた。バーのオーナーさんが、バンコクで偶然見つけて、すぐにこのバーで展示したそう。このブログのトップにある丸い作品は、店内でライブペイントしたんだって。暗すぎて写真キレイに撮れなくて残念すぎる。

>>P7のホームページで観ると、色彩もビビッドで、キャラクターの表情のユルい感じとかたまらなく好き。バンコクに行ったら発見できるのかな。まだバンコクの外ではあまり作品を観ることができないみたいだけど、世界中で彼の名前を聞く日が来たらいいなぁと思う。

...

しかし、このバーも、P7も、ネットで検索しても全然情報が無い!(笑

ニューヨークや東京では、気になるお店やアーティストの名前を聞いたら、ちょっとググれば、情報も画像もわんさか出て来たのに。東南アジアに関してはアンダーグラウンドな情報はネットなんかに落ちてない。自分で人に質問して、会話をして初めて情報をもらえる。その分、限られた良い友達は増えるけど。

「シンガポールで何が流行ってるんですか?」って良く聞かれるんだけど、「流行ってる」モノなんて、世界中だいたい一緒なんだよね。USヒットチャートのトップ40が爆音で流れてて、近未来的な新しいバーでキラキラした人たちがシャンパン飲んでる場所なんて、どんな国にもある同じ光景。ユニクロもH&Mも、コピペして大量生産された複製スタイルが世界の様々な場所で「流行ってる」。流行っていて、大量に売れているのは、そういうモノで、そこにクールは存在しない。

東京と違って、トップ40がかかってないバーに興味を示す人は少ない。私が好きになったこのバーには、お客さんがいつも2、3人しかいない。超絶流行ってない。周りは古びた中華料理屋ばっかりで、暗くなるとネズミが走ってるようなストリートだ。でも、私はここが大好き。バーテンダーさんがやる気のない夜は、ベルリンのラジオ局のPodcastがかかってたりするところとか、もう本当に大好き!またいつもみたいにお客さんが私しかいなくて、バーテンダーさんたちとそんな話をしていたら、すっごく仲良くなっちゃって、最後ウォッカのショットを振る舞ってもらった〜 

5df4372adf4211e2a0d522000a1f970a_7.jpgまじ、流行んなくていいよ。

同じように流行んないけど上質なモノ、胸にグサグサくるようなモノ、自分たちの手でしか作れないモノ、そういうモノが好きで続けてる人たちだけが世界中で繋がれば良い。そういうことができる時代だから。そして、それが求められている時代だから。

次に面白い人が東京から来たら、絶対にここに連れて行かなくちゃ。

「22」 22 Mosque St Singapore 059502 ‎

(こういう名前にしてるのって、わざと検索にひっかからないようにするため?)

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