ベトナムのホーチミン、2日間しかいなかったのに完全に心を奪われてしまった。一人超低予算旅行で、大した下調べもしていなかったのだけど、行き当たりばったりで素晴らしい人たちに巡り会って、ステキな場所に案内してもらった。
建物と建物の隙間には、おばちゃんたちが元気よく声をかけてくれる食堂。小さなプラスチック製のイスに腰掛けて、おばちゃんが大きなボールを抱え、器用な指先でハーブをちぎっている。スパイスや、ハーブの緑っぽい香りが漂う食堂を通り過ぎる。
食堂を通り過ぎると、スクーターがたくさん停まってる薄暗い路地に出る。建物の天井がとても高く感じるのは、フランス統治下時代の名残なのだろうか。
古びた石造りの階段を上ると、いきなり現れる異常なほどのオシャレ空間。こんなに外の雰囲気とギャップがあるのに、不自然で人工的な「がんばったオシャレ」じゃない。「隠れ家」でもない。もとからココにあるべき美しい場所。
中は、カフェのエリアとリテールスペースが広がっている。高い天井を生かして、大きな窓から日光が照らす空間では、洋服もカップケーキも全部魅力的に見える。
英語も話せるスタッフたちのオリジナルTシャツはみんな色違いで本当にカワイイ!!
オーストラリアのブランドのトップスと、ショップのオリジナルバッグを買って、絞りたてのライムとガムシロップ入のソーダを飲みながらボーっとしてしまった。
オリジナルの小物がいくつも色違いで展開されているんだけど、例えばこのバッグもロゴは全部細やかに刺繍してあって、ハンドル部分は手触りのやわらかいレザーだし、内部にも使いやすいポケットがついてたり、超繊細。これ日本人の心にグサグサくるヤツだね。
このショップのInstagramも美しいのでおすすめです。
今、ベトナムではフランスが統治していた時代や戦争時代に海外に亡命したベトナム人の二世たちが戻って来て、新たなビジネスを地元で展開し始めているって教えてもらった。欧米で教育を受け育った彼らが、自分のルーツであるベトナムの文化に、新しい風を吹き込んで、どこの国にも無いような雰囲気を生み出している。争いから必死で逃げて、生き抜いた人たちのDNAと、ヨーロッパの文化。なんというリミックスだろう。想像するだけでドキドキする話だ。新しくオープンしたオシャレ系ショップにありがちな、人工的で見栄っ張りな感じがしない、独特の空気感を作っているのは、地元に舞い戻ったベトナム人たちだからこそ作れるものなのかもしれない。
あと、期待通り、食べるものは全て最高に美味しかったわー。
深夜に歩いて買いに行ったのは、バインミー(現地の人たちはバインメイって発音していた気がする?)というサンドイッチ。衝撃的に美味しい焼きたてのバゲットに、レバーのパテ、バター、数種類のハムに、甘めのキュウリのピクルス、トマト、唐辛子に、パクチーをモリモリに入れてくれる。
これで1ドルだからね。一日2個食べたよね。
ベトナムの人たちは、本当に凄まじい歴史を生き抜いてきているけど、こうやって他の(というか敵の)カルチャーを上手に自分のカルチャーと編み合わせるの才能があるんだと思う。もっと知りたくてうずうずする。完全に恋だわ。
カフェ→ Et La Cafeteria De L'usine
151 Dong Koi Street District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
バインミー→ HUYNH HOA
26 Le Thi Rieng Street District 1, Ho Chi Minh City, Vietnam
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