夜21時過ぎにジャカルタに到着し、その後、朝5時頃まで遊び続けて、目が覚めたのが午前11時頃。
友人の家のゲストルーム、それも私の自宅のベッドルームの4倍ぐらいありそうな素敵なお部屋の、キングサイズのベッドで、二日酔いも無く清々しい目覚めだった。カーテンから外を覗いた景色が、ザ・グレート・ギャッツビーで少々立ちくらみする。
ちょうど友達もみんな起き始めたころでよかった。一人でうっかり部屋を出てしまったら確実に迷子になっていただろう。友人たちと部屋着のまま音楽を聴きながらグダグダしていると、友人が、キッチンに電話をして、朝食を頼んでくれた。数分ほどで、スクランブルエッグと、トースト、コーヒーと紅茶に、絞りたてのグレープのジュースが運ばれて来る。でも、「これは、オヤツだから、食べ過ぎないで。」と注意される。
その後シャワーを浴びて、着替えると、家の中ツアーが始まった。昨日は真っ暗で入り口しか見えなかったけど、太陽の光が差し込んだ彼女の実家は、美術館か、おとぎ話に出てくるお城のようだった。
いや私も、人様のご自宅でパシャパシャ写真撮るとかどうなのと自分でも思うんだけど、このおうちの歴史や美的感覚やご家族の思いみたいなものを脳みそに焼き付けたかったのだ。家具から装飾品から全て職人が細やかな手作業で生み出したモノばかり。家族から家族へプレゼントした柱時計や、お祈りの記された壷。友人の知的で個性的な性格と豊かな感性が、こういう美しさの中で培われたと思うと納得できる。下品じゃない高級感というか、時間をかけて人間が作り出す洗練された美しいものに投資をして、感謝をして生活することを極めるとこうなるんだな。たぶん。たぶんだけど。
いくつもの部屋を通り過ぎ、ありとあらゆる美しいものを見てキャーキャー言っていたらキッチンに着いた。
「これもオヤツだから。これから外出して、ちゃんとしたランチ食べるからね。」こんなに美味しそうなごちそうを前に、そんな難しいこと言われたの始めて。
その後、渋滞を耐え抜きショッピングモールへ。
向かったのは、THE GOODS DEPT.というセレクトショップ。インドネシアのブランドを多く取り扱っていて、メンズもレディースも盛りだくさん。小物も充実している。カットソーのトップスで約1000円ぐらいのものから、凝ったデザインのワンピースでも1万円前後と、手の届きやすい価格帯。あとなによりかかってる音楽が良い。
<THE GOODS DEPT.のwebsiteより 2階分のショッピングフロアとカフェがある。>
久々にたくさん試着して買ったのは、Olenka Olenkaというバリ島のブランドのスカート。サイドのデザインが特徴的で、タイトスカートだけど動きやすいのがいい。7400円ぐらい。
ボタニカルでサイケデリックなプリント!!しっかりした布地には、ちゃんとストレッチが効いてて履きやすい。
最近新しくなったバリ島の空港にもショップがあるみたい。このブランドのプリント柄、本当にその辺に生えてる花みたいに自然だけどビビッドで、モチーフもちょっと狂ってて好き。南国生活している私にはツボすぎて、一年中着たいモノばかり。ビキニのコレクションもあるー。
あとセレクトショップのオリジナルのトートなんかもかわいかったなぁ。シンガポールでもこういうオリジナルトートのかわいいデザインのモノはたくさん見るのだけど、ここのは中にポケットが付いていたり、作りがちゃんとしてた。1400円ぐらい。
ショッピングモールでやっと「ランチ」。麺のようなのは、お野菜の煮込み。下にお米が隠れているのだけど、ほんのりスパイスに、野菜の出汁とココナッツの甘さが癒し系の食べ物だったー。なんていうご飯か忘れちゃった。Nasi...なんだっけ。
その2時間後さらにもう一軒、ご飯を食べに行った。本日4度目のお食事。お魚料理が有名なお店みたい!
一番感動したのが、インドネシアのシラスの炊き込み御飯!Nasi Liwet。シラスがバナナの葉っぱの上に乗って炊き込まれている。ココナッツの香りと出汁の天国。これ絶対日本人好きなヤツ!
その後また友人のおうちに戻り、パーティーの準備。大きなバスタブにお湯をはらせてもらって、半身浴。朝までパーティーしてそのまま飛行機に乗るスケジュールなので荷物や心の準備を慎重に。
パーティーの会場、Soupanovaは、大通りから暗い道に入り、一瞬だいぶ不安になるタイプの裏路地に隠れて建っているようなオフィスビルの屋上だった。ジャカルタの夜景がキラキラして見晴らしが完璧。今回お酒を飲みにいったお店は全部で4軒なのだけど、どこのお店も照明が気持ちよい暗さだった。これは踊れる音楽が流れている場合、すごく重要なことで、お店のデザインの一部として明かりの加減が、繊細に調整されているように思えた。だから前回のブログもそうだけど、夜遊びの場で写真を撮るのが難しい。写真に映らない夜遊びって、なんてワクワクする響きだろう。
連れて行ってもらったレストランやバーには「ミュージックディレクター」という、音のデザイナーのような人が空間やメニューに合わせて流す音楽をコーディネートしていると教えてもらった。その場にいてコントロールするDJのような存在とは異なり、おそらくレストランのメニュー構成のように、シーズンに合わせて事前にプランされているのだと思う。サウンドシステムの質よりも、流す音楽のムードや曲の順番が作り出すストーリーに人の心が左右されるっていうことが大切に捉えられている。実際、最後にたどり着いたパーティーでも、音楽に対してお客さんたちがものすごく繊細に反応していて、ダンスフロアに集まったり、急にいなくなったりの反応がエグいぐらいだった。建前とか情とか一切無い感じの、動物的な勘と本能で踊っている感じ。恐ろしくも、楽しい。知的で野性的。
朝5時まで遊んで、その後友人の家でパーティーを続けて、そのままバックパック持って空港へ。パーティーから空港へ向かうっていう身体的地獄みたいなやつ今年何回やったんだろう。でも、そうやって無茶してでもたどり着く価値ある場所だった。頭と心を開ききって、地元の人たちの言うことを聞いて、完全に身を委ねた32時間。ジャカルタの友人たちのような感性が心の底から羨ましい。