ジャカルタを32時間で満喫する方法 <前半>

先週の水曜日の夜、友人の可愛い犬たちと散歩して帰ってきて、ダラダラしていた時の事。スーパーで買ったチリ産の赤ワインとポテトチップスをつまんでいた友人が、何の前触れもなく急に提案した。

「今週末、このメンバーでジャカルタに行くのはどう？」

「...いいね！」

インドネシア出身の女友達と、お父さんがインドネシア人の男友達、そして私。シンガポールからジャカルタまでは飛行機で２時間以内で行けることはよく知っていたし、なんだか楽しそうな街だってずっと思っていたし、なにより現地に詳しい友達が一緒だったこともあって、反射的にOKしてしまった。こういう時って、逆に行かない理由が見つからない。チリ産赤ワインが背中を押してくれて、私たち３人はすぐMacBookを開き、飛行機を検索した。あさって金曜日、仕事が片付いてから空港に向かうとして、19時50分発のこの便がちょうどいいんじゃない？日曜日に帰ってくる往復便で、125SGD。日本円で1万円ちょっと。これ、行けるじゃん。明日の朝一番にこのチケットを取ろう。

突発的で馬鹿げたアイディアでも、運命が味方してくれて、全てがスムーズに進む事がある。金曜日の夜、空港のゲートでお互いを見つけた私たちは、LCCの堅苦しいシートに身体をねじ込んで、1時間45分集中して眠った。初めてのジャカルタが、夜が明ける前に眠らせてくれるわけがない。

ジャカルタの空港から渋滞を耐え抜いてたどり着いた一軒目は、UNIONというお店。

PLAZA SENAYANというショッピングモールの敷地内に建つバーは、22時頃にはすでに個性的なスタイルの若者達でいっぱいだった。バーテンダーたちはカメラを向けるとノリノリでポーズしてくれる。Hendricksのトニック割りをオーダー。これ頼んで、当たり前のようにキュウリが入っているのがうれしいー。

その後、他の友人達との合流でモタモタする。みんな車移動だし、渋滞もあるし、誰が誰の車で行くの？みたいなのって東京でもシンガポールでもあまりない。それでも24時頃には二軒目。ルーフトップバー、FJ On 7。南国らしい葉っぱの間からキラキラ光るジャカルタの夜景がキレイ。私たちが着いた時には、他の友達はすでにミラーボールの下で踊っていた。星空の下、緑に囲まれて踊るのは開放感があっていいね。

屋内のスペースも美しい。エレベーターから段差の無いスロープでどこへでも移動できるようになっていたのが印象的だった。車イスやベビーカーでも余裕なはず。お店のマネージャーがキレッキレのダンスを披露してくれた。お酒もご飯も美味しいし、昼間も気さぞかし気持ちのよいお店なんだろうなぁ。最後の曲はユーミンだった。

そこからまた車で移動して次のお店へ。

地元のコたちに連れて来てもらわなかったら絶対に見つけられなかったであろう地下バー、Bau Haus 1933。ここはもう酔いが醒めてしまいそうなほどオシャレだった。家具の高さや配置とそれを彩る照明のバランス、音楽、全てを脳の奥の方まで吸い込んでおきたくなる感じ。そういう素晴らしさを写真に収める技術が無くて悲しい。ジャカルタの夜遊びの良い所は、フロアとお客さんの数に対するスタッフ数が多い事だなと思った。お酒のオーダーも、トイレまわりのあれこれも、音楽も、セキュリティもしっかり手が届いている。お客さんはもうゆっくり楽しめばいいだけ。ちゃんとお世話されてる安心感は最高。閉店間際まで遊んだ。